1. はじめに
FX(外国為替証拠金取引)を始めたばかりの方にとって、為替相場の動きは難しく感じることが多いかもしれません。しかし、経済ニュースや市場の動きをしっかり理解することで、取引の判断がしやすくなります。今回は、2025年2月10日から14日にかけてのドル円の動きを振り返り、2月17日以降の見通しについて解説します。
2. 2025年2月10日~14日のドル円為替動向
(1) 米国の消費者物価指数(CPI)の発表でドル高に
2月13日に発表された米国の消費者物価指数(CPI)は、市場の予想を上回る結果となりました。CPIとは、消費者が購入する商品の価格変動を示す指標で、インフレ(物価の上昇)の目安となる重要なデータです。
このCPIの上昇を受けて、市場では「アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)は、金利を高い水準で維持し続けるのではないか」という見方が強まりました。金利が高いと、その通貨の価値は上がる傾向があるため、ドルは円に対して買われ、ドル高・円安の動きが強まりました。
(2) 米国の生産者物価指数(PPI)でドル安に
しかし、翌日の2月14日には、米国の生産者物価指数(PPI)が発表されました。PPIは、企業が商品を生産する段階での価格変動を示す指標です。この数値が予想よりも低かったため、「インフレがそれほど強くないのでは?」という見方が広がり、ドルは売られる動きとなりました。その結果、ドル円相場は3週間ぶりの安値付近まで下落しました。
(3) トランプ大統領の関税政策の影響
さらに、トランプ大統領が特定の輸入品に対する関税を強化する方針を示しました。しかし、市場は「すぐに実施されるわけではない」と考え、リスク回避の動きはそれほど強まりませんでした。このため、大きな円高にはつながらず、ドル円相場は安定した動きを見せました。
3. 2025年2月17日以降のドル円の見通し
(1) 2月20日は「ゴトー日」
日本のFX市場では、毎月5日・10日・15日・20日・25日・月末を「ゴトー日(五・十日)」と呼びます。これは、日本の企業が海外との取引で決済を行う日であり、ドルが買われやすい日とされています。特に、2月20日は月の後半にあたるため、実需のドル買いが発生し、ドル高・円安になりやすいと考えられます。
(2) 今後の重要な経済指標
・ 2月22日:米国PMI(購買担当者景気指数)の発表 PMIは企業の景況感を示す指標であり、数値が高ければ経済が好調と判断され、ドルが買われやすくなります。
・ 2月27日:米国GDP(国内総生産)の発表 GDPは国の経済成長率を示す重要な指標です。予想よりも良い結果が出れば、ドルはさらに強くなる可能性があります。
(3) ロシアウクライナ戦争の終結が相場に与える影響
仮にロシアウクライナ戦争が終結した場合、世界経済への影響は大きいと考えられます。戦争の終結によって地政学的リスクが低下し、投資家のリスク回避姿勢が弱まる可能性があります。この結果、安全資産とされる円の需要が減り、円安方向に進む可能性があります。
また、エネルギー価格の安定が期待されるため、インフレ懸念が和らぎ、各国の中央銀行が利下げを検討しやすくなるかもしれません。特に欧州経済の回復が進めば、ユーロ高・ドル安の動きが強まる可能性もあり、それに伴ってドル円相場にも影響が出るでしょう。
4. まとめ
2025年2月10日~14日のドル円相場は、米国の経済指標の発表によって大きく動きました。CPIの上昇によってドル高が進んだものの、PPIの結果を受けて再びドル安に転じました。今後の注目ポイントとして、2月20日の「ゴトー日」や、2月22日・27日に発表される米国の経済指標が挙げられます。
さらに、ロシアウクライナ戦争が終結した場合、円安方向に動く可能性があり、エネルギー価格の安定による影響も考えられます。
FXトレードでは、こうした経済ニュースをしっかりチェックし、相場の動きを予測することが大切です。初心者の方も、少しずつ情報を読み解きながら、取引の経験を積んでいきましょう!
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